2019/10 抑えておくべきブラウザの種類

佐々木誠
大阪

ついつい動作確認するのを忘れて、特定のブラウザでのみバグを発生させてしまうことがあると思います。 そこで今回は基本となるブラウザの種類と個人的な印象について紹介します。 また、モバイル版ブラウザはPC版と違った事情があるため、把握しておくと動作確認する助けになります。

Chrome

Google製のブラウザ。元々はアップル製のレンダリングエンジンWebkitを使っていたが、2013年にWebkitをforkしBlinkとして袂を分かつことに。先進的・チャンレジな機能を意欲的に実装している。メモリとバッテリ消費が多いのが玉にキズ。6週間毎にメジャーアップデートする。

WindowsでもMacでも利用できるしDev Toolsが便利なのでDeveloperはChromeで開発することが多いため、Chrome特有のバグは発生しにくいイメージ。

iOS版

iOSの仕様でBlinkは使えないので、Chromeの皮を被ったSafari。

Android版

昔はPC版と別ソース?で特有のバグが発生することがあったが、今はPCと一緒なのであまり発生しない印象。

Firefox

非営利組織Mozilla製のブラウザ。かつてはシェア9割を誇ったNetscapeがIEに駆逐されオープンソースとなりFirefoxへ移り変わった。一時期はぱっとしなかったが、プログラミング言語Rustを発表したり、全く新しいレンダリングエンジンを開発したり、リリースサイクルを見直したりとテコ入れしている。4週間毎にメジャーアップデートする。

新機能の実装スピードは比較的早いが、非営利組織である強みを活かしユーザや社会貢献を第一として、他社が提案する仕様がユーザに不利益となりそうであれば反対するポリシーを持つ。

JS周りでのバグはあまりないが、Chromeとはレンダリングロジックが違うためにCSS周りでまれにバグる印象。

iOS版

iOSの仕様で自前のエンジンは使えないので、Firefoxの皮を被ったSafari。

Android版

モバイル版エンジンを開発することが難しくWebviewを利用していたが、最近は自前エンジンを使っているので特有のバグが発生する可能性はある。

Safari

Apple製のブラウザ。2005年にオープンソース化したWebkitを利用している。他社では思いつかないAppleの先進的な価値観から生み出される新しい機能も多い。新機能の実装スピードは比較的早いが戦略上無価値と判断された機能は実装しない、Developerには辛いポリシーがある。年に1回、毎年9月にメジャーアップデートされる。

JS周りでのバグはあまりないがSafariだけ使えない機能がたまにあるので要注意。CSS周りでまれにバグる印象。

iOS版

PC版と遜色ないが、モバイルデバイスという観点からいくつかの機能が制限されているので要注意。

Edge

Microsoft製のブラウザ。自ら作り出したIEの呪縛を打破しようとWindows10向けに2015年にリリースされた。 しかしIEの呪縛は強くシェアを伸ばすことは難しく復権には至らなかった。

JS、CSS両方でバグが発生することがある。IE11とセットで発生する傾向にある。 後述する理由で2019年は新機能・新仕様の追従は滞っているので要注意。

2018年12月、Microsftは方針転換をしブラウザのすべてを自社で開発せず、ChromiumをベースとしたEdgeとしてくことを発表した。Windows7版、Mac版も作るらしい。現在開発中で、2020年第1四半期までにはリリースとなるかも。 Windows7版Edgeが出ればIEの早期退場につながる可能性も。

iOS版

iOSの仕様で自前のエンジンは使えないので、Edgeの皮を被ったSafari。

Android版

EdgeHTMLは使われていないので、Edgeの皮を被ったChrome。

IE11

過去に一世風靡したMicrosoft製のブラウザ。Webの発展に多大なる貢献をしたが、Developerから忌み嫌われてしまったブラウザ。スマホ版はない。IE10はMicrosoftからの公式サポートはすでに終了している。

Windows7, 8ではEdgeはインストールできないためIEを使い続けるユーザが多数存在する。 そのためサポートが終了する2023年1月までは、IEは残り続けるという見方もある。

JS、CSS両方で特有のバグが発生することがある。 最新機能・最新仕様への追従はしていないので要注意。 Developerは普段使いしないことが多いが、ユーザ数としては多いので確認を怠ると大変なことになりがち。

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